変分法:汎関数とは †変分法 Calculus of variations は、汎関数の極値問題の解法である。 Calculus of variations is a field of mathematics that deals with functionals, as opposed to ordinary calculus which deals with functions. Such functionals can for example be formed as integrals involving an unknown function and its derivatives. The interest is in extremal functions – those making the functional attain a maximum or minimum value – or stationary functions – those where the rate of change of the functional is precisely zero. 汎関数とは †
このように、関数に対して1次元の値をあたえる最適化問題、たとえば運動方程式の関数の上での最短時間(汎関数)をあたえる曲線を求める場合とか、エネルギーを最少にする軌道を求めるなど、広く物理学や経済学などに応用されている。
In functional analysis, the functional is also used in a broader sense as a mapping from an arbitrary vector space into the underlying scalar field (usually, real or complex numbers). A special kind of such functionals, linear functionals, gives rise to the study of dual spaces. オイラーの方程式 †定数a、b に対してF[y(x)] = ∫a-b f(x, y, y')dx という形をしている汎関数を扱います。y'=dy/dx
y の変化量δy は任意に選ぶことができるので、F が極値をとるとき、つまりδF = 0 のとき、最終のδF が零となる条件は ∂f/∂y −d/dx∂f/∂y'=0 これをオイラーの方程式と呼びます。 例題1:2点を結ぶ最短の曲線は、直線である †平面上の2定点を結ぶ曲線の長さLは L=F(y) = ∫a-b (1 + y'^2)^1/2 dx で表わされる。 f=[1 + y'^2]^1/2とおくと、∂f/∂y=0、∂f/∂y'=1/2・(1 + y'^2)^-1/2・2y'より d/dx[y'(1 + y'^2)^-1/2]=0 y''=0 となり、yが直線の場合である。
例題2:懸垂曲線 †カテナリー曲線 カテナリとは、電車線のことをさすが、もともとは、電車線の形づくる曲線(これを懸垂曲線という)を意味している。1m当たりの重量 ωkgw/m の電線を、水平張力Tkgf で張った場合、次式で表わされます。 物理的なポテンシャルが最小になるような変分問題です。 線密度ρ、長さLのひもの両端を固定して垂らした場合のポテンシャルは線分の位置エネルギーEなので E=F(y)=∫a->b gρy ds =∫a->b gρy(1 + y'^2)^1/2dx の極値を求めればよい。簡単のためgρ = 1 とおくと f=y(1 + y'^2)^1/2とおき、 ∂f/∂y =(1 + y'^2)^1/2 ∂f/∂y'=y・y'(1 + y'^2)^1/2 オイラーの公式に代入 (1 + y'^2)^1/2+d/dx[y・y'(1 + y'^2)^1/2]=0 この形は見通しが悪く, 積分を実行する際に厄介なので、オイラーの公式を書き換える。 オイラーの方程式の書き換え †f(x, y, y')を全微分すると df=∂f/∂xdx+∂f/∂ydy+∂f/∂y'dy' 両辺をdxで割る df/dx=∂f/∂x+∂f/∂y・y'+∂f/∂y'・y'' 懸垂線の問題がそうであるように) ラグランジアンがx に陽には依存しないとすると∂f/∂x = 0 であるから df/dx=∂f/∂y・y'+ ∂f/∂y'・y'' であり, 左辺は独立変数y'', y' の関数である. そこで, 次の恒等式を用いて, 一方の独立変数yxx を消去することを考える. d/dx(y'∂f/∂y')=∂f/∂y'・y''+d/dx(∂f/∂y')y' 上のふたつの式から 辺ごとに差し引くと d/dx[f-y'∂f/∂y']=y'[∂f/∂y - d/dx(∂f/∂y')]=0 が得られる. ここで, 最後の等式はオイラー・ラグランジュ方程式を用いた. オイラー方程式の代わりに 下記の式を用いてもよい。 f-y'∂f/∂y'=Co Coは定数 The Beltrami Identity †Frequently in physical problems, it turns out that . In that case, the Euler-Lagrange equation can be simplified using the Beltrami identity: where C is a constant. The left hand side is the Legendre transformation of L with respect to f '. 参考:変分法 懸垂線問題の解 †f=y(1 + y'^2)^1/2 を 上の式に適用する。と直ちに y(1 + y'^2)^1/2=C 二乗して書き直すと y'=(y^2-c^2)/c^2 これは変数分離型の微分方程式であり dx=c^2/(y^2-c^2)dy であり, 後は右辺の積分が実行できればよい. そこで, y = c cosh(y') と変数変換すると, dy = c sinh(y') dy'であり,(y^2-c^2) = c sinh(y') であることに注意すると x = c ∫dy'= cy'+ c1 すなわち y' = (x − c1)/c= cosh-1(y/c) となるので, これをy について解いて y = c cosh[(x-c1)/c]
解説 †オイラー・ラグランジュ方程式というのはニュートンの運動方程式と同じもので、ニュー トンの方程式と違うところはどんな座標系を選ぼうともオイラー・ラグランジュ方程式の形は変わらないという ことです。これがオイラー・ラグランジュ方程式の利点で、ニュートンの運動方程式のように座標系(例えば直交 座標とか極座標) によって形を変えてしまうということがおきません。このようなことを可能にするためにわざわ ざ物理量でもないラグランジアンL(q; q˙) というのを定義しています。 参考 † |