タンクモデル †タンクとは貯留槽のことであり、タンクモデルは、河川の流出量の予測などに使われる雨量と水位、流出量の関係を表すモデルである。 もちろん、通常の液体の貯留槽の解析や液面制御系の解析などもタンクモデルで表現できる。 水文学の分野では1974年にWMOが行った「水文学における概念モデルの相互比較」おいてよい成績を示して以来,タンク・モデルは世界的に知られるようになり,その後海外の河川への適用例も増し実用に供されるようになった。 タンク:流量の式 †水のような非圧縮性流体がタンクに入れられていた場合、底のバルブから出る流れの流速は、ベルヌーイの定理から、次式で求まる p + ρgz + ρ(v^2)/2 = 一定 流体の密度ρ:一定 重力加速度:g 圧力:p 高度差:z(=タンクの水面から出口バルブまでの高さ) 流速:v 水槽のの出口バルブが十分小さいとし、単位時間当たりの流出量が小さい(液面の高さがほぼ一定のh)だとすると、流出する流速は、水位の平方根に比例する。これは、水面と出口の圧力差で流速が決まることを意味する。 v = √(2gh) バルブの流量はバルブの前後の圧力差に比例します(水圧を電圧、流量を電流と読み変えてみるとオームの法則と同じ形。) 上記に出口の面積sを掛ければ、流出量になる。
タンクモデルの簡単な例 †1つのタンクの流出量の式は簡単な1次微分方程式であらわされる。多数のタンクが連なってもこの合成式で表される。すなわち、タンクの数だけの次元の連立線形微分方程式で表現できる。
状態推移方程式:河川の事例 †上記の図のように、直列二段型貯留関数モデルの場合には、状態変数を流出量q1,q2とその変化率(合計4変数)として、非線形方程式で表現できる。 |