ジャン・ル・ロン・ダランベール(Jean Le Rond d'Alembert)

  • 1717年11月16日 - 1783年10月29日
  • フランスの数学者・物理学者・哲学者

ダランベールの原理:d'Alembert principle

1743年にフランスの数学者ジャン・ル・ロン・ダランベールが著書「力学論」において発表した古典力学の原理

  • 運動の問題を力のつり合い(平衡)の問題に帰着させられることを、ダランベールの原理という。この時、見かけ上の力、-md2r/dt2 を慣性力(慣性抵抗とも言う)と言う。
  • ニュートンの運動方程式F = md2r/dt2 の場合 質点に作用する外力 F に対し、-md2r/dt2 なる力がかかって全体が力のつり合った(平衡した)状態とみなせる。
  • 慣性力を導入して, 動力学の方程式を静力学の問題と考えることをダランベールの原理という。
  • 「物理学辞典」(培風館)
    • 『質量mの質点が力Fの作用を受けて加速度aを得る場合のニュートンの運動方程式を書き換えて,F - ma = 0 とする.もし慣性力-maを実際の力のように考えて力Fと同等に扱うことにすれば,これは質点mのつり合いの式となって動力学の問題が静力学の問題に帰着する.これをダランベールの原理といい,ダランベールが1758年に導入した.』

糸で吊るした剛球を回転させた場合

  • 観測者から見て,実際に等速円運動しているから,物体にはたらいている糸の張力を“向心力"と呼んでいいだろう.張力が慣性抵抗-maとつり合っていると見る.また,慣性抵抗を遠心力と言い換えて,「張力が遠心力とつり合っている」と見ることもできる

ダランベールのパラドックス

  • 粘性のない流体中に物体を等速直線運動させたときに、物体には力が働かないという、一見直感に反する事実(パラドックス)のこと
  • 実際の流体には粘性があり、それが抵抗の原因だからである。ベルヌーイの式では粘性を考えていない。粘性を考慮するにはナビエ-ストークスの式を用いる

ベルヌーイの定理

  • 流れに沿って成り立つエネルギー保存の法則で、流体の挙動を平易に表した式である。ダニエル・ベルヌーイ (Bernoulli 1700-1782) によって1738年に発表された
    • 流体はその流れの各点において、基準面からの高さによる位置エネルギー、速度による運動エネルギー、圧力エネルギーを持っている。これらのエネルギーは流れの状態によって相互に変化をしながら、総量は保存される。これをエネルギー保存の法則といい、それぞれのエネルギーを水1kgあたりと考えたものが一定であるという定理を「ベルヌーイの定理」という

飛行機の翼の揚力

  • 翼によって翼を取り巻く循環流が発生
  • この影響により、翼上下での流れに速度差が生じる
  • この速度差によりベルヌーイの法則で表現できる揚力が生じる。
  • ベルヌーイの定理は現象の状態を表現(モデリング)している

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Last-modified: 2009-07-04 (土) 12:08:38 (5409d)