1-ファンド定理 †無リスク資産の貸し借りが許される場合、一意的に決まる効率的なファンドが、存在する。そして、任意の効率的ポートフォリオは、この資産ファンドFと無リスク資産との組み合わせることによって実現できる。 これが平均-分散ポートフォリオの最終的な定理とも言われるファンドの定理である。 リスク資産と無リスク資産の組み合わせの場合 †無リスク資産の重みをwとし、リスク資産の重みは1-wとしよう。 平均E(r),分散σ^2の資産rと、一定利回りrfの無リスク資産のポートフォリオの収益率rpは、 共分散E[(r-E(r))(rf-rf)]=0となるので、 E(rp)=w・rf+(1-w)・E(r) σp = (1-w)σ となる。 これは、ダイアグラム上では、rfとrを結ぶ直線になる。 効率的ファンドを表す接点の求め方 †リスク資産の実現可能集合上の1点であるポートフォリオrpと無リスク資産rfを結ぶ直線を考える。 この傾きを 角度αで表すとき、 tanα=[E(rp)-rf]/σp である。 接点のポートフォリオはこの角度αを最大とする実現可能領域上の1点である。 E(rp)=ΣwiE(ri)であり、rf=Σwirfと書けるので tanα=[Σwi(E(ri)-rf)]/[ΣΣσijwiwj]^(1/2) ここでtanαを各wiに関して微分してゼロと置く。 この結果 Σσkj・λ・wi=E(rk)-rf k=1~n λは未知の定数である。 ここでvi=λwiとおいて Σσkj・vi=E(rk)-rf k=1~n となるので、viを求めてそれを合計1になるように正規化すればwiが求められる。 wi=vi/Σvk である。 練習問題 :3つの無相関な資産のファンド定理 †3つの互いに無相関な資産がある。どの資産も分散は1であり、その平均値はそれぞれ1,2,3であるとする。無リスク資産の収益率はrf=0.5とする。この時、次の問題を解け
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