効用関数 †効用関数は、起こりうる富の水準を表わす実数上で定義される連続関数である。 富の大きさを表わす2つのランダムな変数x,yを比較するには、E[U(x)]とE[U(y)]の大小を比較することで可能になる。
良く使われる効用関数の形 †
効用関数の特定:確実同値額を尋ねて内挿する方法 †自分の効用関数を求めてみましょう。確実同値額を尋ねて内挿する方法で求めることができる。 ベキ乗効用関数 U(x)=a・x^γ+c の未知パラメータを求めるとしよう。
この結果は U(4)=0.5U(1)+0.5U(9) U(6)=0.5U(5)+0.5U(9) U(2.5)=0.5U(1)+0.5U(5) を意味する。 一般に効用関数は、U(1)=1、U(9)=9のように2点の値を定めて正規化できる。 この場合の条件は U(1)=a+c=1 U(9)=a・9^γ+c=9 よって a=8/(9^γ-1) c=(9^γ-9)/(9^γ-1) である。従って決めなければいけないのは、γだけである。 このγは、確実同値額の質問結果ひとつから求められる。今回は3つも式が得られる。3つの式の誤差をeiとすれば、次式が得られる。 4^γ=0.5・1^γ+0.5・9^γ+e1 6^γ=0.5・5^γ+0.5・9^γ+e2 2.5^γ=0.5・1^γ+0.5・9^γ+e3 そこで、e1^2+e2^2+e3^2を最小にするように、ニュートン法などでγを求めればよい。 効用関数と平均-分散基準 †マコービッツのモデルの平均・分散基準は2次効用関数を用いて収益率の確率変数が正規分布に従う場合の効用最大化基準と整合性がある。
まず富の初期値を1としよう。このときyは収益率Rと等しくなる。いま期待値がE(y)=Mとなる解を考えよう。するとyは、E(y)=M=1+mをみたすすべてのyのなかで、分散が最小でなくてはならない。そして、y=Rなので解は平均分散効率的フロンティアの上になくてはならない。パラメータa、bを変えると異なる平均分散効率的な点が最適になる。 |