需要と収益最大化 †
- 1)需要曲線(需要量x個と価格p円/個の関係式)がP=ax+b(a<0)で表わされるとする。また総費用は、総費用Cは、固定費Cfと変動費の合計C=Cf+αx で表わされるとする。αは一個当たり変動費。この時利益を最大にする需要量xを(a,b,α)を用いて表わせ。
- 2)ある製品を製造するのに固定費として4,000,000円、変動費として600円/個の費用が発生する。長年の経験から、この製品の期待需要x(個)は、設定価格をP(円)としたときに、式 x=-50*P+90000で近似できることが分かっている。収益を最大化するような価格は何円/個か。
収益率の問題 †
- 1)案件Aは100億円投資して、その後毎年20,20,20,52億円のフリーキャッシュフロー(FCF)を得られる。案件Bは当初100億円投資して、その後毎年3,3,3,3,103億円のFCFを得られる。割引率5%として、それぞれの現在価値を計算せよ。どちらの現在価値が高いか。
- 2)当初P円の資本投下をして、n年間で回収を終了するためには毎年いくらの純収益(FCF)が必要か。毎期末に定額M円の収益として、このMをPと金利iで表わせ。
- 3)案件Aの内部収益率をニュートン法の漸化式で示し、計算せよ。
- 参考
1)割引率をr=0.05とすると、現在価値PVはそれぞれ
Pva=-100+20(1+R)^(-1)+20(1+r)^(-2)+20(1+r)^(-3)+52(1+r)^(-4)
Pva=-100+3(1+R)^(-1)+3(1+r)^(-2)+3(1+r)^(-3)+3(1+r)^(-4)+103(1+r)^(-5)
これを比較すればよい。
2)は、資本回収率の問題であり、http://tokyox.matrix.jp/wiki/ の資金係数
毎期末に定額M円を回収する場合のキャッシュフローの終価が、Pの資金を複利で
n年運用した場合のn年後の元利合計額と一致するとの等式から求められる。
3)ニュートン法の漸化式は次式である。
f(r)==-100+20(1+R)^(-1)+20(1+r)^(-2)+20(1+r)^(-3)+52(1+r)^(-4)=0
を解くには、f(r)/f'(r)を事前に計算して,初期値をr0=?(解に近そうな値)として
r1=r0-f(r0)/f'(r0)
r2=r1-f(r1)/f'(r1)など数回繰り返して、近似解を求める。
最小二乗法 †
いま、観測してデータが(x1,y1),(x2,y2),・・・,(xn,Yn)を得た。これを1次方程式(モデル) y=ax+b+e で表わしたい。eは測定誤差の確率変数とする。このとき誤差は
ei=yi-(axi+b) i = 1, ..., n
で表わされる。
- 1)誤差の平方和を最少にするように、a,bの係数を求めよ。
- 2)この一次方程式を、標本平均μx、μy、標準偏差σx、σy、共分散σxyで表わせ。
- 3) ∑ei^2と∑yi^2と∑(yi*)^2の間に、どのような関係式があるか。但し、yi*は、誤差平方和を最小にするパラメータを用いて得られyiの推定値yi*=axi+b である。
このwikiの、平均、分散、相関係数、ピタゴラスの定理、最小二乗法を参考に解け。
収益率の平均と分散 †
正5角形のサイコロを2回投げるとする。1から5の目があり、試行は独立である。出た目をxとするとき、x*10%の収益率があると仮定しよう。例えば4の目がでれば、収益率r=0.4である。この時、次の問題に答えよ。
- 1)1回の試行の収益率の期待値と分散を求めよ。
- 2)掛け金は1万円であり、開始前に1回目と2回目の掛け金をそれぞれw・1万円、(1-w)・1万円を決めるとしよう。この時、トータルの期待収益率の期待値と分散を式で表せ。
- 3)分散を最小にするには、どのような割合wで掛ければ良いか?。
最小分散ポートフォリオ †
n個の資産が市場に存在し、それらの収益率の期待値をE(ri),i=1~nとし、共分散をσij,i,j=1~nとする。これらの上でポートフォリオを構築する時、期待値E(r)=ΣwiE(ri)が一定のもとで、その分散を最小化するポートフォリオを最小分散ポートフォリオと呼ぶ。3つの互いに無相関な資産がある。どの資産も分散は1であり、その平均値はそれぞれ1,2,3であるとする。この時次の問題を解け。
- 1) ポートフォリオの分散はV(rp)=E[(rp-E(rp)^2] で定義される。rp=Σwi・riの時、分散はV(rp)= ΣΣwiwjσij i,j,=1~n であらわされることを計算で示せ。ただし、σijはi資産とj資産の共分散
- 2) 3つの互いに無相関な資産のポートフォリオの最小分散点を求め。
- 3) 3つの互いに無相関な資産の効率的フロンティアを表す式をポートフォリオrの標準偏差σとE(r)の関係式で示せ。
- 4)同じく、この効率的フロンティアを図示せよ。(横軸をσ^2、縦軸をE(r)として示せ)
- 参考
1)は分散のページを参考に。ポートフォリオの分散は、確率変数の荷重和の分散である。
2)は1)を使って、ラグランジェの未定乗数法で解く。
まず、全ての分散が1なのでσ1^2=σ2^2=σ3^2=1 、
かつ無相関なのでσ12=σ23=σ13=0
このwikiの最小分散ポートフォリオを参考に解く。
最小化すべき目的関数J(w1,w2,----,wn)は、
J=(1/2)ΣΣwiwjσij --->Min
制約条件は
Σwi・E(ri)=E(r)
Σwi=1
分散項に1/2を付けた理由は、最後に得られる式をきれいにするためである。
ラグランジュ乗数 λとμを用いて、ラグランジアン L を次式で定義する。
J=(1/2)ΣΣwiwjσij + λ[Σwi・E(ri)-E(r)] + μ(Σwi-1)
最小化の必要条件は、重みwi,i=1,n とλとμ について、極値をとることである。
1回微分を行うと次式を得る
Σwjσij+λE(ri)+μ=0 i=1~n
全ての分散が1かつ無相関なので
w1+λ+μ=0
w2+2λ+μ=0
w3+3λ+μ=0
w1+w2+w3=1
w1+2w2+3w3=E(r)
上の3つの式をもとにwiを求め、下の2つの式に代入
-6λ-3μ=1
-14λ-6μ=E(r)
これら2式より、λ=-E(r)/2+1、μ=-7/3+E(r)
これをwiに代入するとw1がE(r)で表わせる。
解の標準偏差は、全ての分散1より、σ=SQRT(w1^2+w2^2+W3^2)であるので
σをE(r)で表わせる。
最小分散点は、σ-E(r)平面上の対称性からE(r)=?、σ=?となる。
4)は、E(r)を変えた時、最小分散値を与える点の実現可能集合のうち、
上半分を効率的フロンティアと呼ぶことから横軸にσ縦軸にE(r)をとって表わす。
無リスク資産と効率的ファンド †
3つの互いに無相関な資産がある。どの資産も分散は1であり、その平均値はそれぞれ1,2,3であるとする。無リスク資産の収益率はrf=0.5とする。この時、次の問題を解け
- 1).効率的ファンドを表す接点を与える重みw1,w2,w3を求めよ。
- 2).無リスク資産とこの接点を結ぶ直線(ファンドと無リスク資産の組み合わせ)は、3資産でできる効率的フロンティアよりも、より良い(リスクが少ない)ことを図で示せ。