非線形計画における1次元最適化法(最適探索法)の一種である。 †1 次元最適化(最適地の探索法)の目的は,f(x) (x はスカラー)の最小値を求めること。 区間 [a, b] の中に,f(x) が最小となる点が一つだけあるとします.黄金分割法では,最小点が存在する区間を徐々に狭めていくことによって,最小点を求めようとする
基本的考え方 †一般に、 f(x) が区間 [a, b] で単峰性(この区間で,唯一の最小点を持つ)であるとき,最小点の存在範囲を [a, b] の中のより小さい部分区間に狭めるためには,少なくとも区間内の 2 点における関数の値を知る必要がある。 ここで、「各ステップごとに,最小点を含む区間の幅を一定の比率 τ で減らせるようにできるか?」という問題を考える。 ここで[a(i), b(i)] : ある段階における区間 、x1(i), x2(i) : 区間内の点(x1(i) < x2(i)) としたとき,一定比率 τ で減少するためには,次式を満たす必要があります. (x2(i) - a(i)) / (b(i) - a(i)) = (b(i) - x1(i)) / (b(i) - a(i)) = τ (1) したがって x1(i) - a(i) = b(i) - x2(i) (2) いま,f(x2(i)) > f(x1(i)) とすると b(i+1) = x2(i) a(i+1) = a(i) が成立します. さらに, x2(i+1) = x1(i) とします. したがって, (x2(i+1) - a(i)) / (x2(i) - a(i)) = (x1(i) - a(i)) / (x2(i) - a(i)) = τ (3) となります.また,(2) 式より, x1(i) - a(i) = b(i) - a(i) - (x2(i) - a(i)) なので,この両辺を (x2(i) - a(i)) で割ると,(1),(3) 式より, (x1(i) - a(i)) / (x2(i) - a(i)) = 1 / τ - 1 = τ となります.従って,次の関係が得られます. τ 2 + τ - 1 = 0 この2次方程式の正の根は、 τ = (√5- 1) / 2 ≒ 0.618 かつ 1+τ=黄金比(黄金数) になる。 黄金分割法では,この τ を使用します. 初期区間 [a(0), b(0)] を与えた後,区間内を、0.618で内分しながら、より小さい値が得られる区間を収束するまで,手続きを繰り返します. 簡単な手順 †
この反復法のメリット †一定の比率で区間巾を狭められるので、収束性が保証される。 反復一度について関数計算が1度ですむので計算が速い 黄金分割法は、測定回数が限られているとき、最も小さい区間に縮小できる方法であることが証明されています。 |