黄金数とは

黄金分割や黄金四角形で現れる数φです。

φ=(1+√5)/2

これは、ケプラーの三角形で紹介していますように、正方形の1辺の中点と斜め上の角点を結ぶ長さが√5/2ですので、簡単にコンパスで黄金四角形を作成できます。

そして、この黄金四角形の対角線と底辺の角度は 黄金角度と呼ばれています。

黄金分割の定義

長さx+1の線分を左からx:1に内分する。このとき下記の関係が成立するような内分を黄金分割という。

χ:1=χ+1:χ  (黄金分割の定義)

この解は、

χ2-χ-1=0

より、

x=φ=(1+√5)/2 x=(1-√5)/2=1-φ の2根

正の根が分割比を与える黄金数です。

なお,φ=1.618…とすると,次の関係が成立する。

φ2=φ+1=φ/(φ-1)=2.618…
1/φ=φ-1=0.618…
(φ-1)/φ=0.382…

フィボナッチ数列

フィボナッチ数列の隣り合う2つの数の比は、黄金数に収束します。

黄金分割法

スカラー関数y=f(x)の最小値をもとめる1次元探索法に、黄金分割による探索法があります。

これは区間[a,b]内を左から1:1-φに内分する点x1を求め、次に右から同じ比で内分する点x2を求めて、そこでのf(x1)、f(x2)のどちらが大きいかによって、最少点が左区間にあるか、右区間にあるかを判断し、これを再帰的に繰り返すことで、値域の区間をどんどん縮小させて、最適値を探ります。この方法でも、黄金数で内分するおかげで、適当に2つの内点を選ぶ場合と比べて、関数の探索回数を少なくして(計算の負担を少なくして)、区間の縮小が可能になります。

黄金比の螺旋

原点からの長さが幾何級数的に増大する螺旋を対数螺旋とか等角螺旋という。この特殊な場合が黄金螺旋である。

f(n)=φ^n/√5 φ=(1+√5)/2は指数関数で、対数らせんの式に変換できる。これが、【黄金分割らせん】のできる理由である。

黄金螺旋は、5角形と関係がある。 黄金角度で円を分割すると5角形が得られる。詳細は--->黄金角度

植物は黄金角で葉(種)を作っているようです。葉の回転角が円周をピッタリ黄金比に分けるような植物があったとすると, その回転角は137:507度の黄金角度になる

フィボナッチ級数 の一般解

フィボナッチ級数の一般解は黄金数で表わされる。 フィボナッチ数列とは

Fn+1=Fn+Fn-1 F0=1,F1=1

そこで

an=Aα^n+Bβ^n 
ただし   α=φ=(1+√5)/2 β=(1-√5)/2=1-φ の2根

とすれば,αとβはx^2=x+1 の2根なので,

a0=A+B
a1=Aα+Bβ
a2=Aα^2+Bβ^2=A(α+1)+B(β+1)=(Aα+Bβ)+(A+B)
a3=Aα^3+Bβ^3=A(2α+1)+B(2β+1)=2(Aα+Bβ)+(A+B)
a4=Aα^4+Bβ^4=A(3α+2)+B(3β+2)=3(Aα+Bβ)+2(A+B)

ですから

Aα+Bβ=1,A+B=1

ならば、aiはフィボナッチ数列になる。 この連立方程式を解くと,A=φ/√5,B=(φ-1)/√5 となり,これを(3)に代入すると

一般項 an = [φ^(n+1) - (φ-1)^(n+1)]/√5

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Last-modified: 2009-10-18 (日) 17:32:56 (5314d)