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#freeze
*1-ファンド定理 [#m6999885]
無リスク資産の貸し借りが許される場合、一意的に決まる効率的なファンドが、存在する。そして、任意の効率的ポートフォリオは、この資産ファンドFと無リスク資産との組み合わせることによって実現できる。
これが平均-分散ポートフォリオの最終的な定理とも言われるファンドの定理である。
*リスク資産と無リスク資産の組み合わせの場合 [#a3e7b3d4]
無リスク資産の重みをwとし、リスク資産の重みは1-wとしよう。
平均E(r),分散σ^2の資産rと、一定利回りrfの無リスク資産のポートフォリオの収益率rpは、
共分散E[(r-E(r))(rf-rf)]=0となるので、
E(rp)=w・rf+(1-w)・E(r)
σp = (1-w)σ
となる。
これは、ダイアグラム上では、rfとrを結ぶ直線になる。
#ref(portfolio1.JPG)
*効率的ファンドを表す接点の求め方 [#f498b26d]
リスク資産の実現可能集合上の1点であるポートフォリオrpと無リスク資産rfを結ぶ直線を考える。
この傾きを 角度αで表すとき、
tanα=[E(rp)-rf]/σp
である。
接点のポートフォリオはこの角度αを最大とする実現可能領域上の1点である。
E(rp)=ΣwiE(ri)であり、rf=Σwirfと書けるので
tanα=[Σwi(E(ri)-rf)]/[ΣΣσijwiwj]^(1/2)
ここでtanαを各wiに関して微分してゼロと置く。
この結果
Σσkj・λ・wi=E(rk)-rf k=1~n
λは未知の定数である。
ここでvi=λwiとおいて
Σσkj・vi=E(rk)-rf k=1~n
となるので、viを求めてそれを合計1になるように正規化すればwiが求められる。
wi=vi/Σvk
である。
#ref(portforio2.JPG)
*練習問題 :3つの無相関な資産のファンド定理[#mc3720bb]
3つの互いに無相関な資産がある。どの資産も分散は1であり、その平均値はそれぞれ1,2,3であるとする。無リスク資産の収益率はrf=0.5とする。この時、次の問題を解け
-1.効率的ファンドを表す接点を与える重みw1,w2,w3を求めよ。
-2.無リスク資産とこの接点を結ぶ直線(ファンドと無リスク資産の組み合わせ)は、3資産でできる効率的フロンティアよりも、より良いことを図で示せ。