#freeze
*ボラティリティ(volatility)とは [#q75d50d9]
広義には資産価格の変動の激しさを表すパラメータ。
狭義には株価の幾何ブラウン運動モデル

 dSt = S(t)(σdW(t) + μdt).....(1)

におけるσのこと。シグマ。

S(t)が株価を表す場合、時間の単位を1年単位にすると、 通常ボラティリティは 0.15 < σ < 0.60 の範囲にあることが経験的に知られている。

Volatility most frequently refers to the standard deviation of the continuously compounded returns of a financial instrument with a specific time horizon. It is often used to quantify the risk of the instrument over that time period.

*ヒストリカル・ボラティリティ [#f0773b96]
株価の値動きがモデル(1)に従うと仮定し、過去の株価のデータから推定したσの値。価格の対数差分の標準偏差。 過去n日にわたって株価を観測したとし、Siを第i日の(例えば)終値とする。
 ui=log[si/si-1) E(u)=uiの平均
と置くと
 S = SQRT(Σ(ui-E(u))^2/(n-1)
がシグマの推定値となる。このような手続きによって推定された値をヒストリカル・ボラティリティという。
-ヒストリカル・ボラティリティの計算式
#ref(HV-equation.JPG)
--慣例として100倍して%の単位で表示する。

*インプライド・ボラティリティ [#k6f8b82b]
インプライドボラティリティとは、オプション市場参加者がそのオプションの参照資産に対して将来どれほどの価格変動を見込んでいるかを、市場価格データから"逆算”したものです。将来激しい価格変動(高いボラティリティ)が予測されると、その資産に対するコール/プットオプションの価格は通常高くなります。つまりオプション市場価格は、将来の価格変動リスクについての情報を反映していることになります。Black-Scholes理論価格公式を用いてボラティリティパラメータをオプション価格から逆算したものは 、Black-Scholesインプライドボラティリティと呼ばれ、とくに有名ですが、これは通常オプション満期・行使価格ごとに異なった値を取ります。
--Chicago Board Options Exchange (CBOE) は将来一定期間の累積ボラティリティ(累積分散)の期待値を使ってブラックショールズモデルに依存しないこの期待値に対する一つの近似計算法を開発し、それに基づいてS&P500のボラティリティ指数VIX(恐怖指数)など様々な指数・資産価格に対するボラティリティ指数を算出し、公開しています。
--日本でもCBOEのVIX計算方法に基づくボラティリティ指数を計算して教えていただけるサイトがあります。---> [[VOLATILITY INDEX JAPAN (VXJ/CSFI-VXJ)>http://www-csfi.sigmath.es.osaka-u.ac.jp/structure/activity/vxj.php]]

*アップ率とダウン率 [#h7da3036]
The up and down factors are calculated using the underlying volatility, σ and the time duration of a step, t, measured in years (using the day count convention of the underlying instrument). From the condition that the variance of the log of the price is σ^2t, we have:
 u = EXP(σ √t)
 d = EXP(-σ √t)=1/u.
*日変動、月変動、年次変動 [#k543d013]
The annualized volatility σ is the standard deviation σ of the instrument's logarithmic returns in a year.

The generalized volatility σT for time horizon T in years is expressed as:
 σT = σ√T 
Therefore, if the daily logarithmic returns of a stock have a standard deviation of σSD and the time period of returns is P, the annualized volatility is
 σ= σSD/√P
 
A common assumption is that P = 1 / 252 (there are 252 trading days in any given year). Then, if σSD = 0.01 the annualized volatility is
 σ = σSD/√P =0.01/√1/252=0.1587 .
The monthly volatility (i.e., T = 1 / 12 of a year) would be
 σ month = 0.1587/√1/12  .
*日経225とボラティリティ [#k5110cf4]
-株価の予想変動率(インプライド・ボラティティ)と日経平均の動き

#ref(Nikkei225-VXJ.JPG)
*日経225のボラティティ [#e7fe4fe2]
- [[日経225オプションのボラティリティ>http://www.option-dojo.com/kn/225_latest.html]]
-[[日経225のインプライド・ボラティリティ:計算方法>http://www.ose.or.jp/futures/report/0612.pdf]]
*最新の推定方法 [#fc31459a]
オプション価格に関するブラック・ショールズ式を使う時、もっとも重要なのは収益率の時系列の分散の推定である。インプライドボラティリティはマーケットのオプション価格から推定する方法であるが、それ以外にもいろいろある。下記の研究では、これと比較する形で、GARCHモデルによる方法、拡張カルマンフィルタによる方法が、紹介されている。実証研究によって、カルマンフィルタの方法がGARCHやインプライドボラティリティによる方法よりも良いパーフォマンスを与えることが紹介されている。
-[[ベイズフィルターを用いたオプション価格>http://liaolin.com/Research/optionpricing-tr.pdf]]
-[[状態空間モデルの応用>http://www.fsa.go.jp/frtc/nenpou/2006a/05.pdf]]
-[[確率的ボラティリティモデル>http://www.econ.hit-u.ac.jp/~tanaka/ecmr/chap9.pdf]]

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