#freeze
*マクローリン展開とは Maclaurin expansion [#c278e2a3]
関数f(x)をマクローリン級数で表すことを、マクローリン展開(Maclaurin expansion) という。

マクローリン展開は、原点x=0の周りでのテーラー展開である。

マクローリン展開は、関数を べき級数(x^n の荷重和)の形 で近似したものである。
#ref(Maclaurin1.JPG)

*係数は何故 1/n!*fのn回微分 なのか [#ife15620]
いまxが零の周りの十分小さい範囲で変化するものとして、f(x)の近似値をもとめるとする。

すぐ気付くのは、xが十分に小さいのですから
#ref(maclaurin2.JPG)
のようにf(x) を定数にしてしまうという近似だ。実際、場合によっては、これも十分に「使
える」近似だと思われる。
しかし、x が変化するときf(x) も変化するはずだから、そのことも取り入れた近似をした
方がいいだろう。そこで、微分の定義式で でx0 を0 とおき、微少量dx をx とおく
ことで、
#ref(maclaurin3.JPG)
のように一次式で近似することです。
、さらに、二次式、三次
式と多項式の次数を上げながら、よりよい近似を作っていくことができるはずだ。そこで、
ためしに
#ref(maclaurine4.JPG)
のような(べき級数の形の)近似があると仮定する。
係数a0, a1, a2, . . . をどうやって決めればいいかを考えよう。
-まず、x=0を代入してみれば a0=f(0)が得られる。
-つぎに、1階微分を行う。
#ref(maclaurine5.JPG)
ここで x=0 を代入すれば
再び右辺はほとんど消えて、f'(0) = a1 が得
られる。こうして、a0, a1 は前に書いた 一次近似と一致するように決まった。
-さらにもう1階微分すれば、x=0を代入して f"(0)=2・a2 から a2=f"(0)/2 が得られる。これで2次式でx=0に近いxが近似できた。
-同様に、何回も微分して x=0 とおいて、係数を求めることができる。

この考えで、うまくいくことを、一般形で示そう。
まずxのm乗のn回微分は、下記のようになる。
#ref(maclaurine7.JPG)
これは、繰り返し微分することで理解できるでしょう。特に、xのn乗のn回微分は、n!です。
ここで、前の係数anの付いた近似式をn回微分してみると n − 1 番目までの項が消えて、
#ref(maclaurine8.JPG)
のようになります。
ここでx = 0 とすれば、今度はn+1 番目よりあとの項が消えて、
 f^n(0)=n!・an
となるので、係数anは字式で決定できる。
#ref(maclaurine9.JPG)
これを 前の近似式に代入することで、マクローリン展開が得られる。

*テーラー展開の場合 [#e0186fa3]
テーラー展開は、x=0の周りの近似のマクローリン展開と異なる。しかしx=x0の周りでの近似であるので、この場合と同様である。
微分する場所がx=x0であること、f(x)がf(x-x0)であることであるので、
 xの代わりにx-xoを
 fの原点でのn回微分 f^n(0)の代わりに f^n(x0)
マクローリン展開に代入すれば、テーラー展開式が求められる。

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