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#freeze
*リスクの市場価格 [#cf9eb851]
市場が均衡していると、市場ポートフォリオを含めて、すべての効率的なポートフォリオのリスク一単位あたりの超過収益率は一定の値になっている。
言い換えれば、均衡状態では、特定のポートフォリオのリスク一単位あたりの超過収益率はポートフォリオによらず、一定の値になる。
この値をシャープレシオとよぶ。
*CAPMとリスクプレミアム [#laa08095]
CAPMの式は、特定の資産の超過収益率が、下記のように、その資産のマーケットのベータを使って表わされる。
ri=β(rm-rf)+rf (ただし、β=σim/σm2)
一方、市場ポートフォリオと安全資産とのポートフォリオの式は、
rp =((rm-rf)/σm)σp+rf
で表わされる、
変形すると、
(rp-rf)/σp=(rm-rf)/σm
である。右辺は市場ポートフォリオという特定のポートフォリオのリスク一単位あたりの超過収益率である。ある時点の市場環境下(金融の収縮や開放度が一定の)では、この傾きは一定とみなしてよいので、これをλと置いてみよう。そうすると、左辺は効率的である(直線上に乗っている)ならばどのようなリスク資産のポートフォリオでもよいのだから、
(rp-rf)/σp=λ
となり、市場が均衡していると、市場ポートフォリオを含めて、すべての効率的なポートフォリオのリスク一単位あたりの超過収益率は一定の値になっていることになる。
--資本資産価格モデルの図で、リーマンショック前と後の各種資産のリスク・リターン図でわかるように、傾き一定の直線が観測できる。
--重要な事実は、CAPMのこの傾きが収縮と開放のなかで、大きく変動していることであろう。
--マーケットのベータβの非定常性とその推定が重要となる由縁である。
''このλのことをリスクの市場価格、あるいはシャープメジャーという。''
これが、効率的市場であるなら、最初のCAPMの式から、特定資産のリスクあたり超過収益率は、リスクの市場価格に相関係数を掛けたものとなることが分かる。効率的な個別資産は市場ポートフォリオと完全に正相関し、同一のリスク当りの超過収益率を持つこととなる。
全ての個別資産がそのように価格形成され、一直線のマーケットライン上に位置するように均衡するということになる。