#freeze
*平均値 [#md3709e5]
平均(へいきん)とは、観測されるデータから、その散らばり具合を "平らに均す(ならす)" 事によって得られる、統計的な指標である。平均値ともいう。
n 個のデータx1, ...,xnに対し、相加平均(Arithmetic mean)は次式で定義される。
 E(X)=∑xi/n
*母集団が離散的な場合 [#n0314f86]
X を離散型確率変数とする。X のとりうる値が x1, x2, ..., xn で X が xi をとる確率を pi で表す。ここで、
 Σpi=1
とする。この時、

 μX=E(x)=Σxipi

を確率変数 X の平均値という。分散は

 V=E[(x-μx)^2]=Σ[pi(xi-μx)^2]

で定義される。分散の平方根が標準偏差σとなる。

  V=Σ[pi(xi^2-2xiμx+μx^2)]
   =Σ[pi・xi^2]-2μx・Σpixi+μx^2・Σpi
より
   V=E(x^2)-μx^2
でもある。

*練習問題 [#tcfdd3e3]
コインの表が出れば、掛け金の2倍、裏が出れば0(掛け金が取られる)としよう。そしてコインを2回なげるゲームを考える。あなたの所持金が1万円のとき、一度に全部賭けるのが有利か?。2度に分轄して賭けるのが有利か?。
これを分割して、1万円*w1を1回目に賭け、2回目に1万円*(1-W1)賭けるとしよう。確率変数xiとして、表が出れば2(倍)、裏が出れば0(倍)とする。各回の確率変数をX1、X2とする。X1は、1回目に表が出れば2、裏が出れば0の値をとる確率変数とする。X2は2回目の確率変数
-問1:1回だけの試行した場合の倍率の期待値と分散を求めよ。
--期待値E(xi):i回目の倍率の平均と標準偏差
 E(xi)=μi=2*0.5+0*0.5=1(倍)
 V(xi)=σi^2=E[(xi-E(xi))^2]=(2-1)^2*0.5+(0-1)^2*0.5=1
 i=1,i=2ともに、独立かつ同一の確率密度なので、μ1=μ2=1、σ1=σ2=1である。
--答えは、平均1、標準偏差1
-問2:1万円を分割してw:(1-w)で賭けた場合の受取額の期待値と分散を求めよ。
--受取額は、Xp=w1*x1+(1-w2)*x2であるので、この期待値と分散を計算すればよい。
--期待値は
 E(xp)=w1E(x1)+(1-w1)E(x2)
     =(1万円*w1*2倍*0.5+w1*0倍*0.5)+(1万円*(1-w1)*2倍*0.5+(1-w1)*0倍*0.5
     =w1+(1-w1)=1万円
--答え:期待値は1万円。一度に賭けても同じ期待値。
--分散は
 V(xp)=E([xp-E(xp)]^2)
     =E([w1*X1+(1-w2)*X2-E(xp)]^2)
     =w1^2σ1^2+2*w1*(1-w1)σ12+(1-w1)^2σ2
 独立な試行なのでσ12=E[(x1-μ1)(x2-μ2)]=0なので、またσ1=σ2=1より
     =w1^2+(1-w1)^2
--答え:分散はw1^2+(1-w1)^2
--1万円を1/2づつ(w1=1/2)の時に分散が最小値。Vp=1/4、標準偏差は1/2.

-半分づつ、分散して賭けた方が、リスクは最小である。10回に分けて試行できれば、ほぼ確実に1万円を得られる。
--加法和の分布の平均値のついて、中心極限定理による。試行回数nの時、分散が1/nに比例して、減少していくので。

*相加平均、相乗平均、調和平均の関係 [#ydb88934]

相加・相乗・調和平均の不等式:相加平均 ≥ 相乗平均 ≥ 調和平均
#ref(http://upload.wikimedia.org/math/9/b/5/9b508d51c6c7c78219cac7d6992a4f3e.png)
等号はすべてのxiが等しい時に成立。

*荷重平均 [#x8f8c6df]
加重平均
観測される値それぞれに重みがある時には、単に相加平均をとるのでなく重みを考慮した平均をとるのが便利である。各データ xi に、重み wi がついているときの加重平均(重み付き平均)は

#ref(http://upload.wikimedia.org/math/6/4/f/64f4bf91ca4c778cf1a666876aa0480f.png)

と定義される。全ての重みが等しければ、これは通常の相加平均である。

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