#freeze
*ネイピア数:オイラー数 [#f9234655]
-文字 "e" による表記は、オイラーによるものである。オイラーは、指数関数 y=a^x が
dy/dx=y
を満たすとき a = e であることや、1/x の積分として定義された自然対数の底でもあることを示した。従って一般には自然対数の底と呼ばれることが多い。
*e = exp(1) の素朴な求め方 [#vb2ea83e]
-定義式から
#ref(exp.png)
右辺は、ヤコブ・ベルヌーイによって、利子の複利計算との関連で言及されたものである。オイラーは、導関数がもとの関数と等しい指数関数の底が、上の等式の右辺によって求まることを示した。
-積分公式から
#ref(sekibunexp.png)
ゼロから1の間でオイラー法で積分を行う。キザミ巾を小さくすれば近づく。
*オイラー法とは:Euler's Method [#j19bc291]
微分方程式の数値積分計算法
-オイラー法で微分方程式 dy/dx=axy(a は任意の定数)を解くプログラムを作ってみましょう。初期値とaの値を入れたら後はオイラー法でひたすら数値積分していきます。その手順は、
1.あるxでの傾き(dy/dx)を求める。これは、axyにその時点でのx, yを代入して計算するだけ。
2.ある一定の幅でxを増やし1に戻る。
-オイラー法(ーほう)(Euler's Method) とは、1階常微分方程式の数値解法の一つ。
1階常微分方程式と初期値x0,y0(=Y0)が与えられた場合に、x(n)=x(n-1)+h対するy(n)の近似値Y(n)は、以下のようにあらわされる。(ここでhは、0<hで小さい数である。)
Y(n) = Y(n − 1) + hf(x(n − 1),Y(n − 1))
(n=1,2,3,...)
*オイラー公式:世界で最も美しい公式 [#lc66cf5f]
-指数関数は、マクローリン展開して、
e^x=1+x+(1/2!)x^2+(1/3!)x^3+(1/4!)x^4…
と表せます。これにx=iθ(iは虚数単位)を代入すると、途中は飛ばしますが、
オイラーの定理
e^(iθ)=cosθ+i・sinθ
が導かれます。さらにこれにθ=πを代入すると、e^(iπ)=-1となります。
変形するとオイラー公式が得られます
e^(iπ)+1=0
-数学の上で特に興味深い五つの数「e、π、i、0、1」が、ひとつの式で表わされています
*オイラーの定理;導出 [#bb2e989e]
歴史的にはオイラーはド・モアブルの定理を使って証明したようです。
ド・モアブルの定理から
(cosθ+isinθ)^n = cos(nθ)+isin(nθ)
(cosθ-isinθ)^n = cos(nθ)-isin(nθ)
なので、
cos(nθ)=[(cosθ+isinθ)^n+(cosθ-isinθ)^n ]/2
となります。θ=x/n としnを非常に大きな数とすると、
cosθ=cos(x/n)=cos0=1,sinθ=sin(x/n)=x/n
となるので、
cosx=cos(nθ)
=[(cosθ+isinθ)^n+(cosθ-isinθ)^n ]/2
=[(1+ix/n)^n+(1-ix/n)]/2
と変形できます。
nは非常に大きいという特徴を使うとネイピア数eは定義から、
e^x=(1+x/n)^n
なので,xをix、-ixに置き換えて先ほどの式に代入すると、
cosx=[e^(iθ)+e^(-iθ)]/2
を示せる。同様に計算すると、
sinx=[e^(iθ)-e^(-iθ)]/2i
なので、
cosx+isinx=[e^(iθ)+e^(-iθ)]/2+i[e^(iθ)-e^(-iθ)]/2i=e^(iθ)
で、導けました。