#freeze
*状態空間モデル [#p4bb4354]
-非線形状態空間モデル 
--標準形
 xt+1=f(xt,wt):状態推移式
 yt=h(xt,et) :観測式
 wtはシステムノイズ、etは観測ノイズで相互に独立とする。
-線形状態空間モデル
--標準形
 xt+1=Fxt+Gwt:状態推移式
 yt=Hxt+et :観測式
 wtはシステムノイズ、etは観測ノイズで相互に独立とする。
--任意の線形差分方程式は、線形状態空間モデルで表わすことができる。 
*単振動の場合 [#r3eea5fc]
システムノイズと観測ノイズがある状況での単振動を考えてみよう。
-フックの法則
中点からの変位をXとする時、力Fは変位xの大きさに、逆方向に比例する。
 F=-K・x
--xの単位はm、Fの単位はニュートンN = kg·m·s−2、k はばね定数と呼ばれる定数。個々のばね固有の値であり、ばねの強さを表している。[ニュートン毎メートル]
--この法則が適用できるとき、その挙動は線型と呼ばれ、グラフに表すと正比例の直線グラフとなる。
-加速度と力の関係
一方、運動している時は、力Fは、その質量mと加速度の積で表わされる。
 F=ma=m d2x/dt2
-フリーモーションの微分方程式
上記の2つの式から
 d2x/dt2=-(K/m)x
で表わされる。
-観測量:変位x
観測できるのは、変位Xのみで、速度と加速度は観測できないと仮定する。

このとき、速度をv=dx/dtとおくと、位置xと速度Vの方程式は、次式であらわされる。
 dx/dt=v
 dv/dt=-(k/m)x
-離散系の状態推移式
時間間隔⊿t でサンプリングして、オイラー差分により離散時間方程式に変換すると、
 xt+1=xt + ⊿t・vt
 Vt+1=vt - ⊿t・(k/m)x
を得る。これが、状態推移方程式である。
-観測式
観測される量ytは、位置Xtであるので
 yt=Xt
-簡単のため⊿t=0.01と仮定して、風などの外乱によって、位置と速度が平均0、標準偏差σx,σvのガウス外乱ηxとηvが加わっているとする。また、位置の観測ノイズξがあり、平均0,標準偏差σξとする。これらのノイズは独立で、時間的にも相互にも無相関と仮定する。

-外乱のある状態空間モデル
 yt=Xt+ξt
 xt+1=xt + 0.01vt  + ηx
 Vt+1=vt - 0.01(k/m)xt + ηv
-パラメータ推定問題とは
--観測されたytから、(k/m)を求める問題である。ξt、ηx、ηv、の標準偏差も設定する必要がある。
-状態推定問題とは
--t期までの観測値に基ずいて、t期の位置xtと速度vtを推定する問題(フィルタリング問題)である。
-初期値推定問題とは
--t期までの観測値に基ずいて、初期の位置x0と速度v0を推定する問題(スムージング問題)である。

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