#freeze
*SN比とは [#j8b93f53]
SN比とは、信号の分散をノイズの分散で割った比のことです。
--通信工学のSN比は、信号の電圧を、雑音の電圧で割った量です。 厳密には対数を使います。
通信工学のSN比とは、信号への雑音の影響を評価するための尺度であり、設計において重要です。
-現実的にはノイズを含まずに信号だけを測定することは困難な為SN比の代わりにS/(S+N)を使うことが多く有ります。つまり、信号のないときの装置からの出力(N)と信号のあるときの出力(S+N)を比較します。
-望ましいSN比は目的によって違います。よくするには、コストもかかります。SN比の決定は、品質管理の問題でもあります。

*SN比の事例:カメラ+望遠鏡 [#kb4a1f26]
-CCDカメラ+望遠鏡のケース
例として、望遠鏡にCCDカメラを取り付けて星の光を観測する場合を考えてみましょう。
星の光が入力信号で、CCDカメラに写った光が出力信号です。
-ノイズとしては、1.背景の光のゆらぎ、2、星の光そのもののノイズ、3.読み出しノイズが考えられる。
-そこで、いろいろな星や、真っ暗な空など状況を変えて写して、SN比を計算できます。
-仮定は、入力に比例して出力が大きくなるという比例関係です。
[[小望遠鏡による基礎観測実習>http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/~kmotohara/30cm/jisshu2007/report/report2007sasaki.pdf]]に判り易いご紹介がありました。
*SN比の事例:音響装置 [#c0ea68f1]
オーディオの出力で音量を大きくするためにボリュームを上げると、それまで聞こえなかった雑音が聞こえ出すことがある。これは信号が大きくなるに伴って雑音も大きくなったためで、信号と雑音の比率そのものに変化はない。
-信号に対する雑音の割合が小さければ、音量を大きくしても雑音はあまり聞こえない。理論上では雑音がなければ、SN比の数値は限りなく大きくなるわけだが、現実には雑音の発生しない機器はなく、オーディオCDで90dB程度といわれている。
-信号を入力していない時のノイズのレベルと音が出ている時と大きな音が出ている時信号の関係は比例関係として、SN比を計算できます。
-計算式
 S/N比= 10log[10]{(信号の平均電力)/雑音の平均電力)}[dB]
 = 20log[10]{(信号の電圧(実効値))/(雑音の電圧(実効値))}[dB}
--単位は[dB}(デシベル),log[10]は常用対数を表します。
-参考:[[アンプのSN比>http://www.audiodesign.co.jp/blog/?p=29]]に関する解説があります。
*騒音もノイズ:規制基準 [#j420d9d0]
住宅専用地区の住環境の雑音なら40[dB]以上~50[dB]以下に規制されています。

*通常のSN比 [#w0e4c283]
あらゆるシステムは入力としての信号と出力の関係を利用して設計します。信号として用いられる因子は、出力特性と直線関係にあるのが普通です。ただ、その直線関係は完全なものではなく誤差を持っているので、制御性の良否を評価するのに直線の傾きと誤差の比をとることになります。 
信号因子の単位変化量に対する目的特性の変化をβ、誤差分散をσ2とすると、この場合のSN比ηをdb単位で
 η=10log (β2/σ2)
と定義します。
言い換えれば、誤差が小さく感度が高い程、SN比が大きくなります。
 感度=10*log(b**2) 
信号因子すなわち入力をMとして、M=0のとき出力yがゼロであることが明らかで、yがMの比例式
 y=βM
が理想的である場合、ゼロ点比例式を用います。
ある基準点となる点 M0の標準があり、その点での偏りがゼロになるように基準点校正したうえで、基準点がゼロ点であるかのような比例式
 y-y0=β(M-M0)
が理想的である場合、基準点比例式を用います。
信号因子とデータの間に、特に制限なしで直線関係を想定した場合です。Mとyの間に、1次式
 y=α+βM
を仮定して解析を行います。

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